やさしい曲線に込められた、棟梁の手仕事
2026.03.29
川内店、蔵迫です。
現在、建築中の現場へ行ってきました。

「この丸み、いいですね」
現場で思わず、声がこぼれました。
直線が多い家づくりの中で、やわらかくカーブを描く“アール壁”。


今回のお家は、洋風のかわいらしい雰囲気。
その中でも、玄関ポーチに取り入れたこのアールのデザインが、
家の印象をぐっとやさしくしてくれています。
でも実はこの曲線、見た目以上に手間のかかる部分でもあります。
現場では、棟梁が一つひとつ丁寧に下地をつくり、形を整えていきます。
まっすぐな材料を使いながら、少しずつ、少しずつ削り、合わせ、
なめらかなカーブを生み出していく作業。
図面だけでは伝わらない、“感覚”と“経験”が頼りの仕事です。
この日も、木材を曲線に合わせてカットし、
微調整を繰り返しながら、ぴたりと収まる形を探していました。
工具の音が響く中、黙々と、でもどこか楽しそうに
手を動かす棟梁の姿が印象的でした。
「こういうところは決して簡単じゃないけど、できたときが一番いいんだよね」
ぽつりとこぼれたその一言に、職人としての誇りと、
ものづくりへの想いがにじみます。
効率だけを考えれば、もっと簡単なつくり方もあるかもしれません。
けれど、
「せっかくなら、いいものをつくりたい」
「住む人が帰ってきたときに、ちょっと嬉しくなるように」
そんな気持ちが、
こうした細かな手仕事にあらわれているように感じます。
完成してしまえば、
もしかすると一瞬で通り過ぎてしまう場所。
けれど、毎日出入りする玄関だからこそ、
ふとしたときに感じる“やさしさ”や“ぬくもり”は、
暮らしの中でじわっと効いてくるものです。
私たちの家づくりは、こうした見えにくい部分や、
手間のかかるところこそ、大切にしたいと考えています。
華やかではないかもしれません。
でも、長く暮らす家だからこそ、
安心できるつくりを、丁寧に積み重ねていく。
現場でのこうした一つひとつの仕事が、
家全体の居心地につながっていくのだと思います。
完成までは、もう少し。
このやわらかなアール壁が、
ご家族をやさしく迎える日が、今から楽しみです。